ハピネス
私には医療の知識だって無いんだし、これ以上は何も考えちゃダメだ。踏み込んではいけない。


後ろからザワザワと伸びてくる不気味な手を無視して、巴ちゃんの病室にたどり着く。


「あっ、4人部屋なんだ」


病室には4つのベッドが置いてあって、出入口から見て左側の手前のベッドに小さな男の子が寝ている。


比嘉君によると巴ちゃんのベッドは、右側の窓側らしい。


「巴ちゃん、大丈夫?」


「うん」


巴ちゃんをベッドに寝かせた所で、ようやく皆一息つけた。


それから約束通り絵本を読む事になり、まずは惟万理が白雪姫を読んであげた。
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