ハピネス
私はとりあえずヘラッと笑って、再び巴ちゃんの病室へ。


「ごめん比嘉君、千熊君、惟万理、巴ちゃん。実は今日やらなきゃいけない事あったの忘れててさ……もう帰らなきゃいけなくなっちゃったんだ」


床に置いてあったカバンを持ち上げて言うと、巴ちゃんが悲しそうにマユゲを下げた。


「ええ~~天祢ちゃんもう帰っちゃうのぉ……?巴もっと天祢ちゃんと遊びたかったのにぃ………」


潤んだ瞳で訴えられて、私の体の動きは停止する。


どうやら巴ちゃんは絵本を読んだだけの私を、かなり気に入ってくれたらしい。


私だって、まだ遊んであげたい。
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