ハピネス
空を見上げつつテクテク歩いて呟いていたら、リリアが急に立ち止まる。


「リリア?どうしたの?どっか具合でも悪いとか?」


まるで人形の様に立ち止まって動こうとしないリリアを不思議に思い、数歩後戻りした。


彼女はジッと自分を見つめる私の顔を、無表情で真っ直ぐ見つめ返してきた。




「そんなに簡単に行くかしらね……」




――――…えっ?


「リ、リリア?今のどういう意味?」


“そんなに簡単に行くか”の意味が全く分からず、眉間にマユを寄せて問いかけた。


そう……全く分からないハズなのに、背中に冷や汗が流れる。
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