ハピネス
キラキラ輝く金属が指先で揺らめく赤い火によってドロドロ溶けていくのを見ながら、テンションが上がる私。


『天祢、ちゃんと手元見なさい』


『えーーー?だってフューチャーの魔法によって出された火って、触っちゃってもヤケドしないんでしょう?』


『確かにそうだけど、アンタが今溶かしてる金属、大切なものなの。型に入れないでテーブルに垂らしたりしたら承知しないしわよハピネス』


『うう……リリア本当は天使じゃなくて、堕天使なんでしょ』


そんなこんなで私のハピネスとしての初日の仕事が全部終わったのは、午後11時過ぎだった。
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