ハピネス
落下したオルゴールを私から受け取ってからずっと黙っていた比嘉君の声は、今まで聞いた事が無い程冷たかった。


「比嘉君…?」


ぎこちなく動かした視線の先には、冷水のオーラをまとわせたかの様な目をして私を睨む比嘉君の姿。


「弁償?弁償ってなんだよ早乙女。金払えばそれで済むと思ってるのかよ」


「えっ、あっ……」


「言っとくけどな。両親がそのオルゴール買った店はもう閉店しちまってるんだよ!だから同じ物買うなんて、出来ねぇんだよっ!」


「………っ」


どうしよう…私比嘉君の事まで怒らせちゃった…


兄を怒らせ、妹を泣かせ。
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