ハピネス
今私に出来る事は、最早一刻も早くここからいなくなる事しかない。


私は最後にもう一度深々と頭を下げてから、病室を出た。


トボトボ歩いて病院から外に出ると、爽やかな6月の太陽が私を照らす。


だけど…今の私にとっては、何の効果も無いよ……


「ウッ…ヒック………」


とうとう気を張っていたのが緩み、私の目からも涙が溢れ出てきてしまった。


私本当に何やってるんだろう。


ワザとじゃないにしても好きな人の妹が❝宝物❞って言ってたものを壊して、好きな人本人まで怒らせてしまった。


弁償と言ったのも悪気があったワケじゃない。
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