ハピネス
「えっ?」


突然耳に入った声に、いつの間にか俯いていた顔を上げる。


「早乙女……」


「比、比嘉君………っ!?」


なんと声の主は比嘉君で、彼は左側の道から私が真っ直ぐ歩いていた道に合流しようとしていた。


同じ中学校に通ってるんだから、このまま目的地まで一緒に行けたかもしれない。


でももし私が積極的な女の子でも、そんな事きっと言えなかったと思う。


「「………」」


私達の間に流れるのは、長い沈黙。


そして第三者からしたら絶対介入したくないレベルの、重苦しい空気だった。


まさか登校中に偶然会うとは……

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