ハピネス
比嘉君にどんなに早く会うとしても、教室に着いてからだと思っていた私は、動揺を隠せない。


『とりあえず謝る……』


「ぁっ………」


パッと昨日の惟万理とのやり取りを思い出し、スカートを握りしめた。


そうだ…このまま黙ったままなんてダメだ。


昨日も何度も謝ったのにああなっちゃったけれど、かと言って何もしないという選択肢は選んじゃいけないんだ。


「あ、あの比嘉君!」


「えっ」


意を決していつもの私にしては大きな声で名前を呼ぶと、比嘉君は純粋にビックリしたかの様に目を丸くした。


「昨日は本当にごめんなさい!」
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