ハピネス
「アラ、せっかく起こしてあげたのに、そんな言い方はないんじゃなくて?」


「惟万理…口調が嫌味ったらしいお嬢様みたいになってるよ」


こう言っちゃあ失礼だけど惟万理の家は極普通の一軒家で、親が大企業の社長ってワケでもない。


私と同じ一般庶民なのにやけにお嬢様ぶってる惟万理に白けた目を向けると、彼女はサラッといつも通りに戻った。


「冗談よ冗談。でも本当にまだ授業あるんだから寝ちゃダメよ、天祢」


「…ハーーイ……」


一方私は早乙女 天祢《さおとめ あまね》、学年は惟万理と同じ中学2年生。


「髪、直さなきゃ……」
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