ハピネス
石仲が今にも泣きそうな声で、ベッドの上の早乙女に駆け寄った。


早乙女は見た目はただ眠っている様に見えるけど、口元には酸素マスクが。


左目の下には小さくガーゼが貼ってあって、目を逸らしたくなった。


クラスメイトのこんな姿見慣れてるヤツなんて、いない――――…


「おばさん…天祢はどうしてこんな事に……」


「昨日私は仕事に行ってたからよく分からないんだけど、学校休みだったこの子は出かけたみたいでね…歩道橋の階段から落ちそうになった子供を庇って、一緒に落ちたの……」


「そんな………その子は大丈夫だったんですか?」
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