ハピネス
ヤバイ、変な子と思われちゃった?と狼狽えていると、女の子はまた口を開いた。


「アナタが行く場所は、そっちじゃない」


「へっ……」


「アナタはそっちに進んじゃダメ。まだ来るべき時じゃないから」


「えっ?えっ?それってどういう意味ですか?」


こんな真っ白で何も無い空間に、私が行ってはいけない場所があるというの?


新たなる疑問をどう扱っていいのかパニックになる私の背中を、女の子はトン…と軽く押す。


「いい?このままあの扉まで走って行きなさい」


女の子が指差した方向には、確かに金色の爪みたいな形の扉が。
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