ハピネス
「えっ…あんな扉いつの間に…」


「いいから早く行きなさい。あの向こうには、アナタを待ってる人がたくさんいるの」


「たくさん?たくさんの人って……」


誰?


そう続けたかったのに、言葉が出なくなった。


なんだろう…本当にそんな気がして来た…


あの扉の向こうに、私を待ってくれてる人たちがいる。


私は――――…あっちに行かなきゃ。


パタパタと数歩進むも、再び後ろを振り向く私。


「あの、アナタは行かないんですか?」


私の質問に、女の子は黙って首を横に振った。


「私はそっちに行けないの。アナタだけでもい…て」
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