ハピネス
い…て?最後何て言ったの?『行って』かな?


気になったけど、真っ直ぐな瞳で“行け”と促す女の子に、何も言えない私。


一度お辞儀してから、扉に向かって走り出した。


扉に近づくにつれ、頭に色々浮かんで来る。


大人の男の人と女の人が、背中を丸めて落ち込んでる。


泣いてる髪の長い私と同い年位の女の子が、男の子に慰められてる。


そして……茶髪の男の子が、誰かの手を握ってる。


「会いたい…会いたいよ……っ!」


皆顔は見えないのに、私はこの人達に会いたくて堪らなかった。


ハァハァと息を切らしつつ、扉に到着する。
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