ハピネス
――――バタン


扉が閉まった瞬間、体がフワッと上に引っ張られた気がした。


―――
――――
―――――…


「んっ………」


瞼をゆっくりと開けると、目の前には白い天井。


消毒液のツンとしたニオイが、鼻に届く。


「えっ…なんで消毒液のニオイがすんの……?」


誰か私の部屋で、消毒液ブチ撒けた?


ボンヤリとそんな事を考えていたら、左側からガタッ!と大きな音がした。


「早乙女…っ!!」


「えっ……?」


顔を左側に動かすと、比嘉君が驚いた様な表情で私を見て立ち尽くしていた。


「比嘉君、なんで……」
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