ハピネス
困惑する千熊君を一喝した惟万理に、比嘉君は「オレコーラ」と答えた。


「わっ、私はお茶…」


「OK。ホラ行くわよ士源!」


「ちょっ、なんなんだよ惟万理ーー」


いつになく強気な彼女に押され気味の千熊君は、ブツブツ言いながらもついてゆく。


2人が引き戸から出ようとした直後、惟万理が私にニコッと笑いかけた様に見えた。


再び比嘉君と2人だけになった病室……もしかしてあの子、私の思考読み取って千熊君を連れ出してくれたの?


「なぁ…早乙女。本当に体ツラくないのか?目覚ましたばっかりなのに」


「えっ、あっ、平気だよ」
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