ハピネス
寝てる間、微妙に誰かと会った気がするが……それが男だったのか女だったのか、子供だったのかお年寄りだったのか、何も思い出せないのだ。


ウンウンと考えてると大分ヒドイ顔をしていたのか、比嘉君がまた慌て出す。


「ああいいよいいよ、ムリして思い出さなくて。嫌な事はあまり思い出したくないよな」


ニッコリ微笑みかけられたけど、私はドキドキするヒマも無く――――…首を傾げた。


「あのね…嫌じゃなかったの」


「えっ?」


「確かに意識不明の状態な上、本当に夢を見たのかも定かじゃない曖昧な事なのに…私、その人に会ったの嫌じゃなかった」
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