ハピネス
そう。私はその人がどんな人だったのか思い出せないクセに、その人に対して“会えて良かった”と思っている。


なぜかこれだけはハッキリと言い切る事が出来るの。


「思い出したいな……私の心に残ってる人………」


右手の掌を見つめながら、半ばうわ言の様に呟いた。


その時、さっきの惟万理の時みたく、視線を感じる。


さっきは私の外に3人いたけど今は1人しかいない為、すぐそちらを見る私。


「比嘉君?どうしたの?」


ジッと私を真っ直ぐ見つめる比嘉君に、頭の上でハテナマークが浮かんだ。


な、何か変な事言っちゃったのかな?私。
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