ハピネス
ポツリと…だけど聞こえる範囲の声量で言われた言葉に、体の動きが停止する私。


好き?比嘉君が?何を?


そんな疑問をぶつける間もなく比嘉君の両手が私に向かってのびて来て、ベッドの上に起こしていた上半身だけ抱きしめられた。


「お前の事が好きだからだよ。好きだから、その人の中に強く存在していたい。それって普通の事だろう?」


「………えっ?」


私より若干硬い体から発せられる熱が、私をまとう。


だけどそれよりも熱くて力強い言葉は、私をろくに覚えていない世界とは違う夢の世界に連れて行こうとしていた。


「好きだ……早乙女」
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