ハピネス
手短に所有権の説明をして、更にこう続ける。


「例えそのまま持っていたって、アンタはもうハピネスじゃないから………魔法は使えないわよ?」


「えっ!?ウソ!」


「ウソなもんですか。試しに魔法、何か想像してみたら?」


私の言葉に、天祢は慌てて両手の掌を胸の前で20cm程離した状態で向かい合わせにした。


どんな魔法を思い描いているのかは分からないが、10秒経っても何も起こらない。


「ダメだ………幾ら魔法を使うイメージに集中しても、全く反応が無いよ……」


とうとう諦めた天祢が、ガックリと肩を落として落ち込んだ。
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