ハピネス
コイツはオレの気持ちを知っているのか、分からない。


オレが早乙女が好きな事は言った事無いから、普通だったら知らないと思うが――――…頭いいからな、コイツ。


本当は気づいてるにしろ、気づいてないにしろ、やっぱりバカ正直に言うのは恥ずかしい。




「嫌われたくないんだよ。早乙女にだけは――――…」




これが聞こえなかったんなら、もう黙っていよう。


そんな気持ちを含ませて、同じ言葉を3回繰り返した。


するととうとう怒り出した士源が、ジレた様にオレの肩を掴む。


どうやら3回目も何て言ったか、聞こえなかったらしい。
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