ハピネス
2人が私の横を通り過ぎ、叔父の方の顔をハッキリと認識した途端、涙が溢れた。


女の子の叔父は30代後半位の、短めの黒髪がスッキリした印象の普通の男の人。


なぜか彼の顔が目に焼きついて離れなくて、涙を流したまま振り返って2人の後ろ姿をジッと見つめる。


「何…?どうして私、泣いてるの……?」


呆然と、雫が付いた指先を見ながら呟いた。


私は昔からあまり泣かない子だった。感動もののテレビを観ても本を読んでも、泣く事は殆ど無かった。


なのになんで普通の人間の男性見ただけで、涙が止まらないワケ?一体あの人は誰――――…?
< 403 / 411 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop