ハピネス
正座した太ももの上に置いた手を、ギュッと握り拳にして問いかけた。


リリアがただハピネスを選んでいるだけなら、私の前に姿を現さなきゃいけない理由は無い。


だけどリリアは私に姿を見せた。朝日のジンクスについて詳細を語ってくれた。


これは多分……もしかしてもしかしなくても、そういう事。


声が出なくなってしまった私を何秒か見つめたリリアは、一言「そうよ」と呟いた。




「早乙女 天祢。アナタはハピネス候補に選ばれた。ハピネスをやるかやらないかは、自分自身で決めてくれて結構」




――――やっぱり……そういう事なんだ。
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