ハピネス
手鏡で惟万理ちゃん力作のヘアアレンジをあちこちから見ていると、前から誰かに名前を呼ばれた。


途端に今まで残っていた僅かな眠気はあっという間にどこかに飛んでゆき、頬がジワ~~~ッと熱くなる。


「コレ、昨日の国語の時間に集めたノート。先生が返しといてだってさ」


そう言って私にノートを差し出しているのは、比嘉 龍汰《ひが りゅうた》君。


サッパリ整えられた茶髪がよく似合っている彼は私の頬の赤みなんか気づかずに、にこやかにノートを差し出し続けていた。


「あっ、ありがとう比嘉君……!」


ヒャアアア!どうしよう!!
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