例えば魔女と恋をして


それしか考えられないわ…。


でももし、暁君がそう疑っているのならますます、正体を明かせなくなる…。



頭の中がぐるぐるするわ…。




「星歌、お前今週末どうする?」

不意に聞こえた声に顔をあげると、そこには2つ上の戸田先輩がバインダーを持ち、立っていた。


「今週末…なんでしたっけ?」

「ほら、昨年結婚したあいつの出産祝い。赤ちゃんの顔が見たいって言ってたろ?一緒に行くのか?」

「ああ…

あ、はい!行きます!」

「分かった。出産祝いはみんなで出し合うから。」

「了解です。」


戸田先輩のおかげで話題が切り替わり、安心した私はさっと、お弁当箱を片付けて、なぜかきょとんとした顔をしている暁君に会釈をして、その場を逃げ出すことに成功!






まあ、この場から逃げたとしても誤解が解けてるわけではないけれど…ね。


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