例えば魔女と恋をして
「…戸田先輩は八神さんとプライベートで出かけたりする仲なんですか?」
八神さんが席を立った後、残された俺はどうにも、もやもやした気持ちが抑えきれずに聞いていた。
「えっ?そうだな…過去に何度かはあったな…?」
それがどうした?と言わんばかりに不思議そうに俺を見る。
「あの…八神さんは…プライベートでも…まさか。
あの格好?」
今までずっと不思議に思っていた事を…
ついに聞いてみた。
すると戸田先輩は呆れたように肩をすくませて鼻で笑う。
「プライベートでもあんな格好をされてたんじゃあ、悪いが恥ずかしくて隣を歩く事はさすがの俺にもできないけど?」
…と、言う事はっっ‼
戸田先輩は八神さんの素顔を見たことがるのかっ⁉
「あのっ…先輩‼や、八神さんは…八神さんにさ会社で姿を隠さなきゃいけない事情か何かがっ…⁈」
確信に触れようとした時
静まり返っていた心拍数が一気に上り詰めて行く。