例えば魔女と恋をして


「くっ…‼

よく考えれば直ぐに思いつくはずの事が噂話のせいで、まともな考えを出来ずにいたことが情けない…っっ‼」



エレベーターを避けて階段を下りていく彼女の後ろをそっとつけていく。



これは周りから見たら一見、ストーカー的な犯罪要素の含まれる変態行動に見られるかもしれないが…

相手は皆が恐れる魔女。

誰も俺が魔女を好き好んでストーキングするなど、夢にも思わないだろう…。




1階まで下りた彼女は辺りを見渡し、入り口の方とは真逆の、普段は誰も使わない裏口の方へと向かう。




なんでだ?


息を殺しながら、壁に隠れ彼女の様子を見ていると

彼女が目指している場所が目に入った。


それは、今は使われていない検品室。



「まさか…あそこで着替えを…?」

と、なれば…


検品室からそのまま外に出ていける事に気付いた俺は慌てて正面玄関から回り込む。



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