例えば魔女と恋をして


非常に疲れた気分の一日が明けた頃


会社の空気が変わっていた。


殺伐とした雰囲気とでも言ったほうが合ってるのかしら…。


通りすがる男性社員の目が…殺気に満ちているような気がしてならない…


エレベーターを待っていたその時、背中に寒気を感じた瞬間、ポンッと後ろから肩を掴まれて振り返ると

どこの課の方かしら…見覚えのない男性社員が、不気味な笑顔で私を見ていた…。



「あ、あのっ⁈どちら様でしょうか?」

「ああ、先輩、ご挨拶もしないですみません。」

「え、ええ…」

それで、どこのどなたなのでしょうか…。

「自己紹介前に写真を一枚撮らせて下さいませんか?」

「えっ…?写真?」

すると、突然、男の手が私のベールを無理矢理剥ぎ取る。

「やめてっっっっ‼‼」

咄嗟に両手で顔を覆い、踞った私の肩を掴む。


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