例えば魔女と恋をして
相手は顔を隠してるからまだいいさ…。
週明け
俺の体はいたって普通でピンピンしていた。
消える予兆無し。
そこまでは良いのだが…
出勤して仕事を初めてから気が付いた。
俺の隣りにいる人をこの間
フったばかりなのだと…気まずいじゃん…
相手は顔を隠しているから表情は分からないが…
気まずくない?
こうして隣同士で座って仕事をするってさ…。
もしかして…
そんな風に感じてるのは俺だけ?
てか、消されるって噂どうなの?
確かに古株の先輩達は口を揃えてみんな魔女に消された。と言ってたけれど…
なんで俺、消されないの?
これから?
まだ魔女的ブラックリストに載った段階?
分からねえっ‼
頭を抱えて自問自答していると、横からか細い声が聞こえてきた。
「どうしたの?分からない事があったら聞いてね…?」
それはいつもと打って変わり、弱々しい魔女の声。
もしかしたら…
彼女も気まずいとかんじているのかもしれない…。
そんな所を見せられると…
やっぱり彼女は普通の女の子なんじゃないかと考えてしまう…。
「あ…いや、あの…先方に送る書類の書き込みなんですけど…」
分からないわけじゃなかったけれど…
その弱々しい声を聞いたら
自分をフった俺に、それでも勇気をだして声をか毛てくれたんじゃないかと思ってしまうんだ。
自身過剰かもしれないけれど…
魔女の雰囲気がいつもと違う。
それでも仕事はきちんと教えてくれる。