例えば魔女と恋をして
「実は…
さっき、彼女に呪いをかけられてしまいまして…」
暁君の言葉に、本当の私の事を知らない子達がどよつく。
暁君まで…
なんて事を言うの…?
思わず彼の横顔を見上げると
すっと肩を抱かれる。
「みんな、俺みたいになりたくなかったら…
自分が可愛かったら今後、俺たちに関しては何も触れてこないで下さい‼」
暁君の言葉で
静かになる食堂。
一人
また
一人と、何事もなかったように、食事を始める。
「な、なんで…?」
潮が引くように
通常の食堂に戻った様子を、私が呆気にとられながら見ていると
「この際だから、噂を利用しちゃいましょ?
でも大丈夫。
他の誰がバカみたいな噂を信じてあなたを傷つけようとしても
俺が貴方を守るから」
耳もとで囁かれた言葉ばはまるで
愛のメッセージのようで
私の耳を熱くさせた。
方に感じる温もり…。
間近で見る
暁君の笑顔。
まるで魔法にかけられたように
心が跳ねる。