例えば魔女と恋をして



カップ麺のお湯を沸かしていると


インターホンが鳴って


俺を尋ねてくる友人なんかいたか?と不思議に思いながら

玄関のドアを開けると

目の前に段ボール人間が立っていた…。



じゃなくて


段ボールで顔が見えないだけか。



「…どちら様?」

そう尋ねると

段ボールの横からちょっと顔を見せたのはお向かいの天使で


驚いた俺は手に持ってた菜箸を後ろに放り投げて


とりあえず

両腕を組み

自分の中でカッコいい雰囲気を作ろうとテンパった。



「ど、どうしたんですか?」

できるだけ

クールビューティーに…


心がけたかったが…


「荷物が重いのーっ‼受けとって」

そんな事を言われて慌てて彼女から段ボールを受け取る。


「突然、ごめんなさい。実家からたくさんの野菜が届いたんだけど…食べきれないから…


その…


良かったら食べていただけますか?」


「あ…ありがとうございます…」


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