僕が嫌いな君が好き
━━次の日。




学校で森先輩の姿を探した。

中庭や図書館…

色んなところを探していた時、

校舎のA棟とB棟の間。

誰も通らないような細い通り道に二人を見かけた。

彼女の肩に手を置いて、そっと頭をなでる濱田さん。

それに嬉しそうに微笑んでいて…

森さんってあんな顔して笑ったりするんや…

また胸が締め付けられた。

それと同時にふつふつと怒りがわいてくる。

今ここにこうして二人、並んでいるということは、昨日のが浮気だったという紛れもない証拠。

なんて話を切り出そう。

そんな事考えていた時、二人の雰囲気が変わった。

少しずつ近付くと…

濱田さんが森さんに、キスしようとしていた。

そうと分かった瞬間に、俺は走り出していた。

そして、唇が触れ合う前に、無意識に彼女の腕を引き、俺の腕の中へと収めていた。

空気が張り詰めた。

時が止まったみたいだった。

彼女は俺を見上げ目を丸くした。
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