僕が嫌いな君が好き
第1章

一瞬で落ちた

「…お名前は?」

1人だけ落ち着いていて…

作り笑顔もしないでただ黙々と仕事だけをこなすその人。

「藤崎竜聖です」

「藤崎、竜聖……Cクラスです」

俺の名札と、パンフレットやらなんやらを手渡してくれるその人。

「ありがとうございます」

お辞儀をすると…

軽く会釈をしてにこっと微笑んでくれた。

さっきまで感情がないみたいに、仕事だけをこなしていたのに…

その笑顔は思っていたより幼くて…

可愛らしくて…

「竜聖、何組やった?俺Cやー」

望の声なんて聞こえなくなるほど…

――いっしゅんで、恋に落ちた。――
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