僕が嫌いな君が好き
あれから、先輩の姿を見なくなった。

というか、俺が探さないように意識してるからだと思う。

すぐ諦めるつもりやった。

忘れようとしていた。

でもそう思えば思うほど、やっぱり好きなんやって自覚するばっかりで…


「新しい恋したらええねん!」


望にそう言われたけど、そんな気にもなれなかった。


「合コンしよ!合コン!」


「お前が彼女欲しいだけやん、笑」


「なんであの先輩やないとあかんの?」


「俺にも分からんわ…。でも、好き以外に理由いるか?」


「かっこよすぎるやろそれ…」


はぁ…。

何を電車で語ってんねやろ…?


「とりあえず、他誘えよ」


「へーい」


先に電車を降り、家路についた。


「新しい恋、か…」


もう一度先輩にアタックしてみるか?

いや、ただの迷惑やんな…。

…俺は、情けないほど森さんが好きだ。
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