僕が嫌いな君が好き
ー真由美sideー




たまたま乗り込んだ電車で、藤崎くん達と鉢合わせ。

バレないようにすぐに背中合わせに立った。

久しぶりに見た彼。

結局きちんと謝ることも、向き合うこともできなくて…

勝手に気まずい。

相変わらずの黒髪もまだ私用だったらいいな…

…いや、何、いいなって…

何意識しちゃってんだろ…

そんな時、聞こえてきた二人の会話。

私のこと、まだ好きでいてくれてるんや…

あんなにひどい言い方たくさんしたのに…


「でも、好き以外に理由いるか?」


そう言い放つ藤崎くん。

彼を知れば知るほどイメージが覆されて…

今は余計に申し訳なさが募る…

私のことなんて忘れて、合コンでも何でも行ったらいいのに…

スタスタと降りて行った藤崎くん。

何故か無意識に目で追っていた。

その時、



━━ドンッ



突然背中を押され、車両からホームへ飛び出した。

びっくりして後ろを見ると、


「へへっ、笑」


悪戯っぽく笑うその人は…


「早よ追いかけてください」


手をひらひらと振るお友達くんに、色んな意味で背中を押された…

追いかけて、謝らなきゃ…
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