僕が嫌いな君が好き
ー真由美sideー




「終点です」

の車内アナウンスで目を覚ました。

起きると男の人が、私にもたれて寝ていた。

声をかけたらまさかの藤崎くんだった。

すると、一気に心臓がうるさくなった。

寝ぼけて目をこする姿が可愛い。

そう思うなんてどうかしてる…

あれだけ関わりたくなかったのに。

藤崎くんを知る度に、どんどんイメージが変わっていって、私の中の感情もつられて変わっていくようやった。

なんか悔しい…

家まで送ってくって聞かないから、


「勝手にしたら…?」


ドキドキしてるのが悟られないように、わざと冷たくした。

別に好きやない。

ただ、悪い人じゃない。

むしろ、優しすぎるぐらい。

そう思うようになっただけ…

なのに、


「嬉しいなって」


目を細めて幸せそうに微笑む顔をみたら…

変に顔が熱くなって、私もちょっぴり幸せになっていく。

連絡先も交換して、あれだけ嫌いだと思っていた君と急に近付いた距離。


「空けといて?LINEしますから」


急に一瞬だけ、敬語がなくなったのにも、ドキッとしてしまった。

なんで?ドキドキしてるの…?

好きには、ならないから…。
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