僕が嫌いな君が好き
ー真由美sideー




ナンパなんて大したことない。

適当に流して追い払えるはずだった。

でも、


〔もしかして、彼氏持ち?〕


〔別にええやん、遊びで俺らと浮気しようやぁー〕


そう言われて、濱田さんの事を思い出してしまったら、体が強ばってしまった。

悪夢を見ているような、不安な感覚になって言葉が出なくなってしまった。

そんな時、藤崎くんは来てくれて、なんだかヒーローみたいだった。


「行こ?」


優しくでも強く、繋がれた手が、やけに温かくて…

涙がこぼれそうだった。
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