無愛想で糖度高めなカレの愛
「本当に?」


告白された時の私と同じことを彼が返すから、私は思わず笑ってしまった。


「本当に本当。もっと愛したいし、愛されたいって思う」


恥を捨てて正直に伝えると、夕浬くんの頬が珍しくほんのり赤く染まっていく。

さらりと髪を撫でながら私の後頭部を支えた彼は、もう片方の腕も腰に回し、堪らないというようにぎゅうっと抱きしめた。


「……ヤバい。嬉しすぎる」


それは心からの声に聞こえ、私も嬉しくて、幸せで、しっかりと彼の背中を抱きしめ返す。


「愛してる、明穂さん」

「私も」


愛を確かめ、密着した身体を少し離すと、お互いに自然と唇を寄せた。

気持ちが通じ合ってからのハグやキスは、心の隅々まで満たしてくれて、今までよりさらに気持ちが良い。

その甘美さに酔いしれながらキスを重ねていると、名残惜しげに離れた彼の唇が囁く。


「……もっと愛されたい?」


その一言で、身体の奥がズクンと疼いた。

恥を忍んでこくりと頷く私を見た夕浬くんは、妖しげで艶めかしい笑みを浮かべる。

すっかり従順になってしまっている私のおでこに、彼は了解の意味を込めたように短いキスを落とした。

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