無愛想で糖度高めなカレの愛
「僕のイチオシはカフェラテ味です。エスプレッソにミルクを加え、香りが良くほっと一息つけるようなカフェラテを再現しました。原料にはブラジル産の深煎りコーヒー豆を使用し……」
いつものように、無表情で淡々と説明する夕浬くんの声を耳に入れながらも、集中できない。
どうしたんだろう、突然味がわからなくなるなんて……。
「たしかに美味しいですね~カフェラテ! ほろ苦い風味と味が大人な感じで……って、先輩?」
薄茶色のクランチチョコレートを摘んで味わっていた美結ちゃんが、私の反応がないことに気付き、不思議そうに首をかしげた。
はっとした私は、笑顔を作って同意する。
「あ、うん、すごくいいと思う! フレークとも相性いいし」
そう言ったものの、心の中ではもやもやとしたものが渦巻く。
きっとこれは本当に美味しいのだろう。だけど、今の私には自信を持って意見を言うことができない。
素直に美味しいと思えなくて、夕浬くんの顔をまともに見ることもできなかった。
気にしすぎだと言えばそれまでかもしれないけれど、そんな簡単なものではないように思う。
なぜなら、味覚がおかしいと思ったことは、これが初めてではないから──。
いつものように、無表情で淡々と説明する夕浬くんの声を耳に入れながらも、集中できない。
どうしたんだろう、突然味がわからなくなるなんて……。
「たしかに美味しいですね~カフェラテ! ほろ苦い風味と味が大人な感じで……って、先輩?」
薄茶色のクランチチョコレートを摘んで味わっていた美結ちゃんが、私の反応がないことに気付き、不思議そうに首をかしげた。
はっとした私は、笑顔を作って同意する。
「あ、うん、すごくいいと思う! フレークとも相性いいし」
そう言ったものの、心の中ではもやもやとしたものが渦巻く。
きっとこれは本当に美味しいのだろう。だけど、今の私には自信を持って意見を言うことができない。
素直に美味しいと思えなくて、夕浬くんの顔をまともに見ることもできなかった。
気にしすぎだと言えばそれまでかもしれないけれど、そんな簡単なものではないように思う。
なぜなら、味覚がおかしいと思ったことは、これが初めてではないから──。