無愛想で糖度高めなカレの愛
このままじゃ仕事にも支障をきたしてしまう。けれど、確かめるのが怖い。

次の試食会まではまだ時間があるから、もしかしたらそれまでに治っているかもしれない。

そんなふうに、私の気持ちは不安定なまま揺れていた。


「ケーキは、たぶん明日妹が買ってくるから……」


申し訳ないけどケーキは断ろう、と歯切れの悪い言葉を返した。まぁ、沙織がケーキを買ってくるというのは毎年恒例だから、嘘をついているわけではないけれど。


「あ、そっか。妹さんいるんですもんね。じゃあ、彼と一緒に使える大人のオモチャあたりを……」

「何でそーなる」


怪しげに口角を上げる美結ちゃんの頭に、軽くチョップをくらわせながらつっこんだ。何を考えてるのこのコは!

彼女は頭をさすりながら口を尖らせる。


「えー結構いいと思うんですけど。自分じゃ絶対買わないでしょ? そういうのプレゼントされたら嬉しいじゃないですか」

「それはそうだけどモノが嫌!」

「あ、河瀬さん興味ないですか? 道具には頼らないってプライド持ってる男の人もいるからなぁ」

「この話はやめ!!」


天然なのか故意なのか、あっけらかんと話し続ける彼女を、私は赤面しながらストップさせた。

あぁ、このコと一緒にいる時は悩みが吹っ飛ぶわ……。


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