無愛想で糖度高めなカレの愛
多くは語らない私だけれど、美結ちゃんは私達の間に何かがあったのだと察したようで、眉を八の字にしてアドバイスしてくれる。


「もし何か問題があったなら、早めに解決した方がいいですよ! ケンカとかはあんまり長引かせると、どんどん悪化していっちゃいますから」

「そうだよね……」


このままじゃいけないと私もわかっている。今度の休みにでも、ちゃんと話し合う時間を取ってもらおうかな。今の状態のことで、的確なアドバイスをしてくれるかもしれないし。

逃げ腰な自分に気合いを入れ、美結ちゃんに「ありがとう」と言って微笑んでみせた。



しかしその後、先日行った消費者調査の結果をまとめてみたことで、新たな悩みが生まれてしまった。

昨年秋に発売された、スイートポテト風のクリームをチョコレートで閉じ込めた、シェルチョコレートという種類の商品。これについての満足度が、他の商品に比べて低い結果になってしまったのだ。

これは珍しいことではなく、定番ではない新商品は、最初から高い評価を受けることは難しい。

けれど、このスイートポテト味のチョコレートは、私が提案し、形にしてもらえたもの。味にも自信を持って売り出したはずが、満足のいく結果を得られなかった。

その事実が、今の私にはとても重くのしかかる。

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