無愛想で糖度高めなカレの愛
少し前の私なら、喜んで引き受けていただろう。でも今は、消費者調査の結果と、バカ舌みたいになってしまっている状態のせいで、すんなりと首を縦に振ることができない。
「でも、私にヒットする商品を生み出せるかどうか……」
「なんだよ、珍しく弱気じゃねーか」
俯いて力無く言う私の耳に、聞き慣れた声が飛び込んできた。
バッと右側を振り仰ぐと、いつの間に来ていたのか、薄い笑みを湛えた恵次が私を見ている。
「け……手塚さん!?」
つい名前で呼びそうになって慌てて言い直すと、恵次はクスッと笑って課長の方へ流し目を向ける。
「今ちょっと広報に寄ったら、篠沢課長のいい声が聞こえたんで」
「あーら! ヤダもう~~」
ぽっと頬を薄紅色に染め、片手で口元を隠し、もう片方の手の平を上下に振る課長はめちゃくちゃ嬉しそうだ。
相変わらず口が上手い恵次に苦笑していると、ご機嫌な課長が立ち上がり、意気揚々と言う。
「大丈夫よ、間宮さん! あなたが提案したスイーツチョコも好調みたいだし、ねぇ?」
「えぇ、ウチのバレンタイン商品の中で一番いいみたいです。売上の具体的な数字を出されるのが楽しみですね」
「でも、私にヒットする商品を生み出せるかどうか……」
「なんだよ、珍しく弱気じゃねーか」
俯いて力無く言う私の耳に、聞き慣れた声が飛び込んできた。
バッと右側を振り仰ぐと、いつの間に来ていたのか、薄い笑みを湛えた恵次が私を見ている。
「け……手塚さん!?」
つい名前で呼びそうになって慌てて言い直すと、恵次はクスッと笑って課長の方へ流し目を向ける。
「今ちょっと広報に寄ったら、篠沢課長のいい声が聞こえたんで」
「あーら! ヤダもう~~」
ぽっと頬を薄紅色に染め、片手で口元を隠し、もう片方の手の平を上下に振る課長はめちゃくちゃ嬉しそうだ。
相変わらず口が上手い恵次に苦笑していると、ご機嫌な課長が立ち上がり、意気揚々と言う。
「大丈夫よ、間宮さん! あなたが提案したスイーツチョコも好調みたいだし、ねぇ?」
「えぇ、ウチのバレンタイン商品の中で一番いいみたいです。売上の具体的な数字を出されるのが楽しみですね」