無愛想で糖度高めなカレの愛
課長に目配せされた恵次も、穏やかに微笑みながらそう言い、私の肩をぽんぽんと軽く叩く。


「リーダーなんてやるじゃん。頑張れよ」

「今度も期待してるわ」


ふたりの前向きな励ましは本当に嬉しいし、心強い。その期待に応えたい。

でも、もし売上が良くても評価が悪かったら……。そんなふうに悪い方へ考えたらキリがないけれど、しっかり住み着いてしまった不安は簡単には消えてくれない。

それでも断ることはできず、複雑な気持ちのまま無理やり笑顔を作って、「はい」と頷いた。

すると、私と恵次を交互に見る篠沢課長の視線に気付く。


「……前から思ってたけど、あなた達妙に仲良いわよね」


単純に感じたことを言っただけなのかもしれないけど、探るような言動に少しギクリとしてしまう。

ちらりと私を見た恵次は、ふっと笑みを漏らして課長に告げる。


「彼女は高校時代の後輩なんです」

「えぇっ、そうなの!?」


奥二重の目を真ん丸にする課長。よかった、付き合っていたって暴露されなくて……と、私はぎこちなく笑いつつひとりホッとしていた。

「それなら納得だわ」と頷いた課長は、羨ましげなため息を漏らす。

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