無愛想で糖度高めなカレの愛
嫉妬してくれるのは嬉しくもあるけど、そんな気持ちにさせて申し訳ない気分にもなる。


「あなたが何か悩んでいることには気付いていたのに、それを吐き出させることもできない自分も情けなかったし。その原因に手塚さんが絡んでるかもしれないって考えると、またイラついて……本当に格好悪すぎ」


自分を卑下するのはやめてほしくて、思わず上体を起こそうとした私は、ベッドに肘をついた。


「そんなことないよ! あれは全部私が──」


私が悪いのだと訴えようとした唇が、彼のそれで塞がれる。優しいキスは私から力を奪い、容易く再び組み敷かれてしまった。

覆いかぶさって見下ろす彼は、さっきまでと違い、穏やかな表情をしている。


「でも初めてわかりました。本気の恋愛は、格好悪くなるものなんだって」


……あぁ、とっても同意。私もめちゃくちゃ格好悪かっただろうな。

嫉妬している時は醜いし、隠し事している時はおどおどしてしまう。嬉しい時はニヤけて変な顔になっているだろうし、泣き顔は絶対不細工だ。

でも、それが恋というもの。誰も綺麗なままじゃいられない。


「……私は、どんな夕浬くんもカッコいいと思うし、大好きだよ」


彼の頬を両手で包んで、ふわりと微笑む。

< 201 / 215 >

この作品をシェア

pagetop