無愛想で糖度高めなカレの愛
我慢できずに声が漏れ、意識が吹っ飛んでしまいそうな快感に襲われる。

そんな私にキスをしながら、夕浬くんは私の背中に手を回してぐいっと抱き起こし、向き合って座るカタチになった。


「はぁ……っ、夕浬く……」


素肌をぴたりと合わせ、恍惚とした顔で見つめ合う。

彼は少し乱れた息を整えながら、私の髪を優しく掻き上げ、愛おしそうに目を細めた。


「俺がどれだけあなたを愛してるか、伝わる?」


……そういえば、『今夜ベッドの中で聞かせてあげますよ』なんて言っていたっけ。

さっきの話からも、こうして繋がっている今も、彼の愛は全身で感じられる。十分過ぎるほど伝わってくるよ。

笑顔を浮かべた私は、何度も頷きながらぎゅうっと抱きついた。幸福のため息とともに、純粋な願いがこぼれる。


「……ずっとこのままでいたい」

「イかなくていいの?」


そーいう意味じゃないんだけど!

単純に“離れたくない”っていう乙女心を下ネタにすり替えてしまう夕浬くんに、ムッと頬を膨らませる。そんな私を、おかしそうに笑った彼が抱きしめ返した。


「冗談ですよ。明穂さん、可愛すぎ」


どこまでも甘い彼に、幾度となくキスをされて、深く溺れる。

こんな愛なら中毒症も大歓迎。それで死んでも本望だ──。




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