無愛想で糖度高めなカレの愛
「私だって憧れるもの、社内恋愛。河瀬くんはちょっと若すぎるから、最初から圏外だったけどね。だから遠慮なく付き合ってちょうだい!」

「そ、それはどうも……」


私の肩をぽんぽんと叩きながら言う彼女の発言は、いろいろとツッコミどころ満載だけど、さらっと流しておこうか。

口の端を引きつらせていると、課長はちょっぴり呆れたような笑みを浮かべて言う。


「でもほんと、間宮さんには甘いわよねぇ、河瀬くん」

「先輩の無茶なお願いも、いつもちゃんと聞いてくれますもんね~」


美結ちゃんも冷やかすように言うから、なんだか私は気恥ずかしくなって肩をすくめた。けれど。


「今回のチームのリーダーに間宮さんを推薦してきたのも河瀬くんだったし。ま、私も異論はなかったけど」

「えっ……河瀬くんが、私を?」


思わぬ事実を耳にして、つい足を止めてしまった。そんな私をふたりは不思議そうに見やり、篠沢課長が意外そうに言う。


「あら、聞いてなかったの? 『課長、忙しいなら間宮さんにリーダーをお願いしたらどうですか?』って言われて。それに背中押されたのよ」

「そうだったんですか……!?」


まさか、夕浬くんが推薦していたなんて。そんなこと全然言っていなかったのに……。

なんとなく彼の真意を気にしつつ、歩き始めるふたりの後に続いた。


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