無愛想で糖度高めなカレの愛
とりあえず美味しい料理を味わっておこうと、私も箸を進めた。しばらくして、恵次が向かい側に座る夕浬くんに向かって言う。
「最初は河瀬くんのことちょっと敵対視してるとこもあったんだけど、君面白いよね。本能で動く俺とは正反対だし、表情筋使いこなせてないしさ」
恵次がちょっと失礼なことを堂々と口にすると、夕浬くんはピクリと片眉を上げ、静かに箸を置いた。
あぁ、なんかまた始まりそうな予感……。
「……俺に限ったことじゃなく、表情筋というのは、普通の生活では全体の三十パーセントしか使っていないんです。俺はそれ以下だと自覚してますけど、これはもう生れつきなので、表情豊かにするトレーニングやらなんやらはする気はありません」
予想通り、彼は知識を織り交ぜて淡々と意見を述べ、沙織はキョトンとしている。
一方、恵次はぷっと吹き出し、「そーいうとこが面白いんだって!」と言いながら爆笑した。これには私も同意するけどね……。
なんだかおかしくなってきて、私もいつの間にか笑っていた。和やかになる雰囲気の中、突然真面目な顔をした恵次が、穏やかな声色で言う。
「君なら安心だな。明穂のこと、幸せにしてやってよ」
「最初は河瀬くんのことちょっと敵対視してるとこもあったんだけど、君面白いよね。本能で動く俺とは正反対だし、表情筋使いこなせてないしさ」
恵次がちょっと失礼なことを堂々と口にすると、夕浬くんはピクリと片眉を上げ、静かに箸を置いた。
あぁ、なんかまた始まりそうな予感……。
「……俺に限ったことじゃなく、表情筋というのは、普通の生活では全体の三十パーセントしか使っていないんです。俺はそれ以下だと自覚してますけど、これはもう生れつきなので、表情豊かにするトレーニングやらなんやらはする気はありません」
予想通り、彼は知識を織り交ぜて淡々と意見を述べ、沙織はキョトンとしている。
一方、恵次はぷっと吹き出し、「そーいうとこが面白いんだって!」と言いながら爆笑した。これには私も同意するけどね……。
なんだかおかしくなってきて、私もいつの間にか笑っていた。和やかになる雰囲気の中、突然真面目な顔をした恵次が、穏やかな声色で言う。
「君なら安心だな。明穂のこと、幸せにしてやってよ」