無愛想で糖度高めなカレの愛
それにしても、河瀬くんの意見を聞いたら、ますます帰りたくなくなったわ。

脱力しながら、パソコンの電源を落としてひとりごちる。


「やっぱりどっかで朝を待とう。ネカフェかカラオケ……あ、マンガ喫茶でもいっか」


最近マンガなんて読んでいないし、恋愛モノのやつでも読みまくって胸キュン補給するのもアリだな。

なんて、我ながらいい考えが思い付いた瞬間、隣の彼からこんな一言が飛び出した。


「ウチに来ればいいじゃないですか」


…………“ウチ”?

すぐには理解できず、固まること数秒。

「へ?」とマヌケな声を漏らして顔だけ横に向けると、河瀬くんが私を見つめて再び口を開く。


「僕の家、いくらでも泊まっていっていいですよ。一晩でも二晩でも」

「……んなっ!!」


なんですとーー!?

ありえない提案に、私はぱかっと大きく目を開いて身体を引いた。


「ななな何を言ってるの河瀬くんっ!?」

「あ、一人暮らしなんで、遠慮なくどうぞ」

「いやいやいや、そういうことじゃ……!」


動揺しまくる私とは正反対に、彼は顔色ひとつ変えない。

いくらお互いに気がないと言っても、河瀬くんは健全な男なんだし……ていうか!

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