無愛想で糖度高めなカレの愛
私は場所を聞いてゴミを片付けたり、簡単なサラダを作らせてもらったり、邪魔にならないように彼の補助をしていた。

なんだか仲良しのカップルみたい。……なんて思ってしまう自分はちょっとイタいけど、楽しくて心が躍るのは否めない。


河瀬くんは本当に手際が良くて、ハンバーグもあっという間にできあがった。

家では、簡単なものなら沙織も作ってくれるけれど、だいたいの料理当番は私。

男の人に作ってもらったことなんて初めてに等しいし、なんだか感激する。しかも。


「美味しそう~!」

「そうですか? 普通だけど」


リビングのローテーブルに並べたハンバーグに目を輝かせる私だけど、河瀬くんはなんてことない様子。

形も崩れていないし、焼き目も綺麗だし、とっても美味しそうな出来映え……! お腹が鳴ったの、気付かれてないかな?


料理も上手な河瀬くんに感心しながら、ビールもしっかり用意して、グレーのソファーに並んで座る。

距離が近くて緊張しちゃうけど、とりあえず食べたい!

お互いにお行儀良く両手を合わせ、「いただきます」と言って、トマトソースが掛かったハンバーグに箸を差し込む。

そして一口食べた私は、すぐに感嘆の声を上げた。

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