無愛想で糖度高めなカレの愛
「明穂さんって変わってますね」
「はい?」
それあなたが言う?
なんて密かにつっこんでいると、河瀬くんはテーブルに缶を置いて言う。
「料理について理論的なことをとやかく言うのは、女性は嫌がるものなんじゃないかと思っていたので」
「あーまぁ、たしかに……」
口うるさく思う人はいるだろうな、と曖昧に頷いた。
でも今の言い方、なんとなく引っ掛かる。
「もしかして、身に覚えがあるの?」
探るような上目遣いで問い掛けると、彼は思い出すように目線を宙にさ迷わせて口を開く。
「昔、彼女がペペロンチーノを作ってくれたんですが、ソースがいまいちで。これは水と油がきちんと乳化していないからだと説明したら、ものすごく機嫌を悪くさせたことが」
彼女がいたという事実に多少の驚きもあるけど、淡々と指摘して怒られる河瀬くんの姿が容易く想像できて、思わず吹き出してしまった。
「あっははは! それは機嫌悪くもなるでしょう」
あっけらかんと言う私を、河瀬くんはキョトンとして見つめる。
乙女心を理解するのが苦手だとかいう、“理系男子あるある”かもしれないわね。
「はい?」
それあなたが言う?
なんて密かにつっこんでいると、河瀬くんはテーブルに缶を置いて言う。
「料理について理論的なことをとやかく言うのは、女性は嫌がるものなんじゃないかと思っていたので」
「あーまぁ、たしかに……」
口うるさく思う人はいるだろうな、と曖昧に頷いた。
でも今の言い方、なんとなく引っ掛かる。
「もしかして、身に覚えがあるの?」
探るような上目遣いで問い掛けると、彼は思い出すように目線を宙にさ迷わせて口を開く。
「昔、彼女がペペロンチーノを作ってくれたんですが、ソースがいまいちで。これは水と油がきちんと乳化していないからだと説明したら、ものすごく機嫌を悪くさせたことが」
彼女がいたという事実に多少の驚きもあるけど、淡々と指摘して怒られる河瀬くんの姿が容易く想像できて、思わず吹き出してしまった。
「あっははは! それは機嫌悪くもなるでしょう」
あっけらかんと言う私を、河瀬くんはキョトンとして見つめる。
乙女心を理解するのが苦手だとかいう、“理系男子あるある”かもしれないわね。