無愛想で糖度高めなカレの愛
○恋人未満のときめき
接着剤みたいにくっついていた瞼が自然と開いた時、薄暗くて見慣れない部屋が視界に広がった。
あれ? ここ、どこ?
……あぁそっか、昨日は河瀬くんの家に来たんだった。
美味しい手料理を食べて、飲んで、キスして……そうだ、名字じゃなくて夕浬くんって呼んでたんだっけ……
…………って!!
昨夜の出来事を蘇らせると、ヒュッと息を呑んで勢い良く上体を起こした。
まず自分の身体を確認して、ちゃんと昨日のままの服を着ていることにひとまず安堵する。
そして隣に目をやると、眼鏡を外し、髪型が少し乱れた夕浬くんが眠っていてドキリとした。
うわ……ラフになった髪の毛のせいか、普段よりあどけなさを感じるけど、絵に描いたように綺麗な寝顔。
昨日はこの彼と、散々キスしちゃったんだよね……。ていうか、キスだけで済んだの?
服を脱いでいないからって、最後までいたしてないとは言えない。
ど、どうなんだろう。思い出せない!
まだぼんやりする頭を抱えて唸っていると、「ん……」と悩ましげな声が聞こえてはっとする。
再び隣を見ると、夕浬くんは寝返りを打ち、うっすらと目を開けた。